UQWiMAXからSpeed Wi-Fi NEXT WX05(以下、WX05)が発表されました。ニュースリリースによると発売日は2018年の11月8日になります。
結論から言ってしまえば、今回はマイナーチェンジです。
シリーズ初のLTE対応となったWX04とは異なり、WX05ではスペックの大幅な向上は見受けられず、通信品質の向上とユーザビリティーの向上といった細かい修正になっています。
しかし、通信速度よりもバッテリーの保ちを重視される方やホームルーターとして活用する時間が長い方にとって、WX05は今後の選択肢のひとつになっていくでしょう。
この記事では、まず最新モデルWX05がWX04から何が変わったのかを整理後、ライバルとなるW05と比べてどちらを選ぶべきかを考察します。
※端末が届き次第、レビューを追記しますのでブックマークを推奨します。
WX05の主な変更点と解説
まずは主な変更点を解説していきましょう。
通信品質の向上と省電力化による持久力の向上に特に力が入っているようですので着目してみてください。
WiMAXハイパワー対応で通信速度を約20%向上
WiMAX2+で初めて「WiMAXハイパワー」に対応しました。
これまでも(2+ではない)WiMAXのルーターに搭載されていましたが、WiMAX2+対応のルーターでは今回が初めての搭載機となります。メーカーの発表では通信品質の向上によって約20%の速度向上が期待できるとなっていますね。
念の為補足しておきますが、これは理論上の最大速度(下り最大440Mbps)が向上するというわけではなく、ベストエフォートの通信速度が向上するだけ。
それでもWウィングアンテナ搭載のクレードルが用意されているなど、屋内での使用も考慮されているWX05にとって相性が良い機能と言えるでしょう。
WiFiの混雑具合を可視化&タッチ操作で切り替え
周辺のWiFi(2.4GHz)の混雑状況を棒グラフで可視化できるようになりました。
人が多く集まる場所、たとえば集合住宅では2.4GHz帯で多くの電波が飛び交っています。これはWiFiルーターだけでなく電子レンジやワイヤレスマウスといった家電製品も同じ帯域を利用するためですね。
通常は自動的にチャンネルが選択されるため意識する必要はありませんが、「どうもネットが切れる」といった場合に混雑状況を調べることができると便利です。中・上級者になるとスマホのアプリをインストールされている方もいますね。
WX05は単独で空き状況を可視化できて、しかもタッチ操作でチャネルの切り替えができるようになりました。WiMAXハイパワーの搭載と同様、こちらアップデートも通信品質の向上を考慮したものとなっています。
ワンタイムHS+Aモードが通信量のカウンターと連動へ
ワンタイムHS+Aモードにおいて、データ通信量が設定値に到達した際に、LTEがオフになるように設定できます。これはユーザーのニーズに応えた機能追加ですね!
WiMAX2+とLTEを併用できるHS+A(ハイスピードプラスエリアモード)はその名前のとおり通信エリアに強いのですが、LTEを使用することから月間データ量が7GBまでと制限されています。この制限というのがなかなか厄介なもので、7GBを超えてしまうと速度制限によりデータ通信が低速になってしまいます。
そのためWX04から「通信が切れたら自動的にHS+Aをオフにする」ワンタイムHS+Aモードが追加されました。WX05はこれらの機能に加えてデータ通信量のカウンターが自分で設定した値を超えたら自動的にオフになるようになりました。
※こちらの設定方法については実機が届いたら具体的にレビューしましょう。
パフォーマンスの設定が直感的にできるようになった
WiMAX2+のルーターはネットワークに始まり、通信モード、ディスプレイの表示方法といった細かな設定まで、PCに繋ぐことなく単体で行うことができます。
しかし、「バッテリーが減ってきたら下り速度を110Mbpsに落としてディスプレイの点灯時間も短くしよう」と言われても初心者には分かりにくいものですよね。理解していてもすべての設定を推奨値にするのは面倒です。
WX05はこれらの設定を「おまかせ一括設定」で直感的に行うことができます。
個人的には、「バッテリーの持ちを優先」で日常的に使用し必要に応じて「通信速度を優先」のモードに切り替えて使うのが良いと思います。
なお、HSモード⇔HS+Aモードといったネットワークの切り替えは、「おまかせ一括設定」では変更されませんのでご安心ください。
バッテリーの残量やデータ通信量の推移も可視化された
WiFiチャネルと同様、バッテリーの残量やデータ通信量の推移もグラフ化されました。データ通信量の推移をグラフで見れるのはたいへん便利です。
すでにご存知かもしれませんが、ギガ放題では過去3日間のデータ通信量が合計10GBを超えると一時的な速度制限があるためですね。OSのバージョンアップや動画の視聴など、大量のデータ通信を行う際は、データ通信量の推移を見ながら計画的に運用しましょう。
表示方法を解説しておきましょう。WX05のメニューを開いて、
- バッテリーの残量は[情報]→[端末情報]
- データ通信量の推移は[情報]→[データ通信量]
からそれぞれアクセスすることができます。
WX05に継承されたWX04のスペック
ここまでWX05の変更点に着目してご紹介してきました。WX04と共通のスペックについては取り上げて来ませんでしたので、ここで特に重要なものをここで紹介しておきましょう。
WX05に継承されたスペック
- 下り最大440Mbps/au 4G LTEも使える
- 拡張アンテナ付きクレードル
- 電波インジケータで繋がりやすいところを探せる
- 3,200mAhの大容量バッテリー
- USB Type-C (Quick Charge)
といったところです。WX04は外ではモバイルWiFiルーターとして、自宅ではホームルーターとして利用できるように設計されたスペックでした。WX05はこれらのメリットを引き継いでいます。
なお、WX04について詳細を知りたい方は次の記事を参考にしてみてください。
WX05のスペックを比較
製品名 | 質量 | サイズ | 連続通信時間 (Wi-Fi) | 連続通信時間 (Bluetooth) | 連続通信時間 (LTE) | 連続待受時間 | メーカー | 最大速度 | Wi-Fi規格 | USB規格 | バッテリー容量 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Speed Wi-Fi NEXT WX05 | 約128g | 約W111×H62×D13.3mm | 約 8.2時間:通信速度を優先 約11.5時間:スタンダード設定 約14.0時間:バッテリー持ちを優先 | 約18.0時間:エコモード | 約 8.0時間:通信速度を優先 約10.5時間:スタンダード設定 約13.3時間:バッテリー持ちを優先 | 休止状態:約700時間(リモート:有) ウェイティング:約50時間 | NECプラットフォームズ | 440Mbps / 75Mbps | 11ac/n/a(5GHz帯) 11n/g/b(2.4GHz帯) | USB2.0 Type-C | 3,200mAh |
Speed Wi-Fi NEXT WX04 | 約128g | 約W111×H62×D13.3mm | 約 8.2時間:ハイパフォーマンスモード 約11.5時間:ノーマルモード 約13.8時間:エコモード | 約16.7時間:エコモード | 約 8.0時間:ハイパフォーマンスモード 約10.5時間:ノーマルモード 約13.0時間:エコモード | 休止状態:約700時間(リモート:有) ウェイティング:約50時間 | NECプラットフォームズ | 440Mbps / 75Mbps | 11ac/n/a(5GHz帯) 11n/g/b(2.4GHz帯) | USB3.0 Type-C | 3,200mAh |
Speed Wi-Fi NEXT W05 | 約131g | 約W130×H55×D12.6mm | 約 6.5時間:ハイパフォーマンス設定 約 9.0時間:ノーマル設定 約10.5時間:バッテリーセーブ設定 | 約 15.0時間 | 約 4.3時間:ハイパフォーマンス設定 約 6.5時間:ノーマル設定 約 9.1時間:バッテリーセーブ設定 | 休止状態:約850時間 クイックアクセスモード設定時:約38時間 | ファーウェイ(HUAWEI) | 708Mbps / 112.5Mbps | 11ac/n/a(5GHz帯) 11n/g/b(2.4GHz帯) | USB2.0 Type-C | 2,750mAh |
WX04と数値上の差はエコモードの持久力のみ
すでにご紹介したとおりWX05はマイナーチェンジとなっているため、WX04とのハード面での差はほとんど見受けられません。しかし、連続通信時間に至ってはソフト面の改良により(バッテリー持ちを優先モードの追加により)若干の改善がされました。
バッテリー持ちを優先にした場合、WiFi接続でも連続通信時間が14時間となり休止している時間を考えると日中はほぼフルで使えるでしょう。
WX05とW05のどちらを選ぶべきか?
コンパクト重視の方にはWX05は良い選択肢になる
はっきり言ってしまえば、スペックはW05のほうが優秀です。しかし、WiMAX2+のルーターはスペックが高くなるにつれ、大きく重くなってしまいました。(iphoneと一緒ですね)
その点、W05はスペックを追わない代わりに、非常にコンパクトに纏まっています。手の小さな女性だけでなく、なるべく小さなWiMAX2+ルーターが欲しい方にも相性が良いでしょう。NECプラットフォームズは昔からこの手のニーズを拾うのが上手いですね。
スピード重視の方にはこれからもW05がおすすめ
W05の下り最大速度は708Mbps/112.5Mbpsになり、WX05のそれを上回ります。ルーターの筐体が若干大きくなってもスペックが良いほうが好みの方にはこれからもW05をおすすめします。
総評
このページではWiMAXルーターWX05のスペック比較を行ってきました。
ここでもう一度、WX05を選ぶメリットとまとめると次のようになります。
- WiMAXハイパワーで電波の弱い場所における通信品質の向上
- ワンタイムHS+Aモードが通信量カウンタと連動
- 電波インジケータとWiFiチャネルモニタ搭載で屋内の使い勝手が向上
- Wウィングアンテナ付きのクレードルでホームルーター用途もあり
- 薄く軽くコンパクト!女性の手でも持ちやすい
WX05はスペックで競うことを止め、電波が弱い環境でいかに使いやすくするか、またHS+Aモードの使い勝手を向上するか、省電力化を図るか、といったユーザビリティで差別化してきたようです。「スピードは下り440Mbpsもあれば充分。あとはコンパクトで使いやすいほうがよい」というニーズにマッチするでしょう。
WX05を最安値で入手する方法は?
WX05の登場を契機にキャンペーン対象ルーターの契約期間が3年で統一されつつあります。したがってプロバイダの選び方もキャンペーンの特典で選べるようになりました。現時点で、最安値はGMOとくとくBBになるでしょう。
GMOとくとくBBのキャンペーンの特徴は、最新の端末がいきなり高額キャッシュバックの対象になることです。 今月のGMOとくとくBBでは、本体のみで34,800円。Wウィングのアンテナ搭載のクレードル付きで31,500円のキャッシュバックがもらえます。