WiMAX2+が開始されて半年以上が経とうとしています。WiMAX2+で下り最大220Mbsに対応しているモバイルWi-FiルーターにはSpeed Wi-Fi NEXT の冠名がついており、現行では次の2機種が存在しています。
- Speed Wi-Fi NEXT WX01(以下、WX01)
- Speed Wi-Fi NEXT W01(以下、W01)
この2機種は下り220Mbpsを実現するために4×4MIMOとキャリアアグリゲーションという技術が採用されています。WX01には4×4MIMOが採用され、W01にはキャリアアグリゲーションが採用されているわけですね。両方を実装しているルーターは今のところありません。
はじめての方がこれらの通信方式の違いについて、さらっと理解できることを目的としています。技術的な違いよりもむしろ、WX01とW01では使える通信モードが異なるのだ!ということを押さえてくださいね。ルーターを選ぶ時の決め手となります。
目次
4×4MIMOについて
4×4MIMOとは、送信側と受信側それぞれ4本ずつのアンテナを利用して通信をやりとりする技術です。MIMO(マイモ)とはMulti-Input Multi-Outputの略で、帯域幅を広げたり、出力を高くすることなくデータ通信の速度や距離を伸ばす技術です。これまでのWiMAXでは送信側と受信側それぞれ2本ずつの2×2MIMOでした。
横文字が多くてちょっと難しい…
そんな方は「アンテナを2倍にしたから速くなったのだ!」くらいの理解で十分でしょう。
この4×4MIMOを商用サービスに成功したのはUQWiMAXが世界初です。帯域の幅を広げたり、出力を高くすることなくデータ通信の速度を向上できるので、8×8MIMOなんてモノも構想されています。UQWiMAXの公式サイトでも4×4MIMOについては説明がされていますので、興味があれば一読してみてください。
キャリアアグリゲーションについて
キャリアアグリゲーション(以下、CA)とは、これまで利用していた電波を束ねて高速データ通信を実現する技術です。スマートフォンなどモバイルデータ通信に興味がある方はTVや雑誌で頻繁に出てくるキーワードであるため、すでににご存知かもしれません4×4MIMOとの違いは、電波を束ねるために基地局側の工事が必要であるということです。
やっぱり横文字が多くてちょっと難しい…
そんな方は「対応機種を持っていればそのうち速くなる」と理解していただいて構いません。
ただし、現行のCA対応機種であるW01は過渡期にリリースされているためファームウェアの更新が必要です。ファームウェアの更新方法はniftyの「Speed Wi-Fi NEXT W01のファームウエアアップデート方法を教えてほしい。」がわかりやすいです。
WiMAX2+におけるCAはどのプロバイダーを選んでもUQWiMAXに依存します。2015年度中に完了を目指すという話があります。お住まいの地域、ご利用を予定されている地域での対応状況はUQWiMAXの「エリア情報」を見ましょう。どこよりも正確です。
CA化されるとどうなる?
CA化されると、"WiMAX2+"の通信速度が下り最大110Mbpsから220Mbpsになる代わりに、現行の"WiMAX"の通信速度は下り最大40Mbpsから下り最大13.3Mbpsまで遅くなります。
もし"WiMAX2+"に対応していないルーターをお持ちであれば、お得なキャンペーンが実施されていますのでこの機会にお乗り換えを検討した方が良いでしょう。
WX01とW01の補助ネットワーク
ここまでと4×4MIMOとCAについてさらっとご紹介しました。どっちがいいの?と興味が湧く方も多いかと思いますが、どちらの技術ももこらからのWiMAXを支える通信技術であり優劣はないでしょう。現状では両方の通信技術を採用しているルーターはありませんので、利用が可能なネットワークと通信モードで選びましょう!
機種 | 通信技術 | ネットワーク | 通信モード |
WX01 | 4×4MIMOに対応 | WiMAX2+/WiMAX | ハイスピード |
W01 | CAに対応 | WiMAX2+/au 4G・LTE | ハイスピード ハイスピードプラスエリア |
WX01は補助ネットワークにWiMAX
WX01はWiMAX2+が繋がらない場合、補助のネットワークにWiMAXを使います。ただし、手動での切り替えはできません。通信モードはハイスピードモードで固定されています。またau 4G・LTEも利用できません。
W01は補助ネットワークにau 4G・LTE
W01は補助のネットワークにau 4G・LTEを利用することができます。ルーターからワンタッチでハイスピードプラスエリアモードへ切り替えれば良いので手軽ですが、月額制のオプションであること、ハイスピードプラスエリアモードでの通信は月間データ量7GBまでであることがネックです。通信モードを切り替えるのは必要な時だけにした方が良いでしょう。
まとめ
ここまで4×4MIMOとキャリアアグリゲーションの違い、そしてそれらの技術を採用しているモバイルWi-FiルーターWX01とW01についても少し触れてきました。わかりやすいかったよ!と思っていただければ幸いです。
先述のとおり4×4MIMOとCAはWiMAX2+のコアになる技術です。2つの技術を両方採用した、下り最大220Mbpsの倍速ルーターが登場するのはまだ当分先のことだとは思いますが、期待してしまうものですね。
記事内で通信モードについて、少し触れましたがモバイルWi-Fiルーターはまず必要な通信モードで選ぶのが鉄則です。3つの通信モードが選べるHWD15やW01についてまとめた記事も書いていますので、気になった方は参考にしてみてくださいね。