WiMAX2+はベストエフォートで下り最大220Mbpsの通信速度を叩き出す4G規格のネットワークの一つです。現在、WiMAX2+にフル対応するモバイルWi-FiルーターはSpeed Wi-Fi NEXT W01とSpeed Wi-Fi NEXT WX01の2機種のみです。
ここではW01とWX01のどちらを選ぶべきかお悩みの方のために、基本スペックから押さえておくべき相違点まで徹底比較を行っています。
今後、新規や乗り換えでモバイルWi-Fiルーターをご検討される方は、W01またはWX01のどちらかを選択することになるでしょう。当記事があなたのモバイルWi-Fiルーター選びの参考になれば幸いです。
目次
W01とWX01の基本スペックの比較
まずは手始めにW01とWX01の基本スペックの比較をしてみましょう。
製品名 | Speed Wi-Fi NEXT W01 | Speed Wi-Fi NEXT WX01 |
メーカー | ファーウェイ | NECプラットフォームズ |
サイズ | 約W120 x H59 x D10mm | 約W109×H66×D9mm |
重さ | 約113g | 約97g |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11ac/n/a/g/b | IEEE802.11ac/n/a/g/b |
連続通信時間 | 最大約8時間 *1 | 最大約7時間 *2 |
連続待受時間 | 約730時間/約36時間 *3 | 約650時間/約35時間 *4 |
その他 | タッチパネル | WiMAXハイパワー対応 |
通信方式 | キャリアアグリゲーション | 4×4MIMO |
通信モード | ・ハイスピード ・ハイスピードプラスエリア |
ハイスピード |
カラー | ・ホワイト ・ブルー ・ベリー |
・ディープブルー ・パールホワイト ・メタリックレッド |
*1、2) WiMAX2+でWi-Fi使用時
*3、4) クイックアクセス(ウェイティング)利用時
いかがでしょうか?ここでは、モバイルWi-Fiルーターを選ぶ際に誰もが押さえておきたい基本スペックのみに絞って比較しています。より詳細なスペックを確認されたい方はメーカーの公式サイトでそれぞれ確認することも可能です。
W01とWX01で大きな差異がない点
サイズや重さ
サイズや重さには大きな差はありません。W01の方が若干ですが幅が広くスマートフォンのような形状をしています。WX01の方はNECプラットフォームズ製のルーターらしくAtermブランドの雰囲気が出ていますね。
連続通信時間や連続待受時間
WAN側をWiMAX2+のネットワークに接続し、LAN側をWi-Fiで接続した場合の連続通信時間はW01の方が僅かですが優位です。だたし、WX01はBluetooth®でLANに接続することが可能です。Bluetooth®を利用した場合はWX01の連続通信時間も480分となるため両者に差はなくなります。
W01とWX01で大きな差異がある点
通信方式が大きく異なる
W01はキャリアアグリゲーション方式を採用しています。キャリアアグリゲーションは帯域を束ねることで通信の高速化を図るという方式です。例えば、下り最大110Mbpsの帯域を2つ束ねると下り最大220Mbpsになります。
一方、WX01は4×4MIMOという通信方式を採用しています。4×4MIMOとは送信側と受信側がそれぞれアンテナを4本使用し通信の高速化を図るという方式です。2×2MIMOで下り110Mbpsであったものを2倍にしたと考えるとわかりやすいでしょう。
キャリアアグリゲーションが完了するまでは、4×4MIMOを採用するWX01の方が下り220Mbpsのエリアが広く優位でした。しかし、下り220Mbpsの全国化が完了した現在ではどちらの通信方式を選んだ場合でも下り最大220Mbpsになることに変わりはありません。
通信モードが大きく異なる
W01はハイスピードエリアモード(WiMAX2+)とオプションのハイスピードプラスエリアモード(au LTE)が利用可能です。
WX01はハイスピードエリアモード(WiMAX2+ / WiMAX)のみ利用が可能です。WX01のハイスピードプラスエリアモードでは無印WiMAXのネットワークも利用しますが、切り替えは自動でありネットワークを任意で変更できないことにご注意ください。
それぞれ通信モードの違いについては次の記事も参考になるでしょう。
操作性が大きく異なる
W01はタッチパネルを採用しています。独自OSではありますが、操作はいたってシンプルですので説明書を読まなくとも使いこなすことができるでしょう。液晶パネルがあることはモバイルWi-Fiルーターを持つのがはじめてという方にも心理的な負担が少ない印象を受けます。
WX01はAtermシリーズなどこれまでのNECプラットフォームズ製のルーターの操作性を踏襲していると感じました。シンプルなボタン操作のみですので、一度覚えてしまえばすぐに使いこなすことができるでしょう。
決め手となるのは通信モードの違い
最大の違いは通信モードです。
WX01がハイスピードプラスエリアモード(4G/LTE)に対応していないことから、4G/LTEのネットワークを使いたい方はW01を選択することが自然です。
しかし、4G/LTEのネットワークが必ずしも必要かと言われるとそうでもありません。すでにWiMAXは主要都市の人口カバー率が99%となっており、全国人口カバー率も90%以上です。この数字を必要十分とみるかどうかですね。
またau 4G/LTEを使う場合は、月額1,005円のオプションに申し込む必要があること、そしてハイスピードプラスエリアモードでの通信はギガ放題でも7GB制限までであることに言及すべきでしょう。
ハイスピードプラスエリアモードの実用的な使い方
W01のハイスピードプラスエリアモードは液晶パネルで通信モードを切り替えるだけで利用することが可能です。ただし、1度でも利用すると先述のとおりオプション利用料が発生することから基本的には使用しないのが賢明です。
最も有用な使い方はWiMAX2+で通信ができない場合にのみ切り替えて使う方法でしょう。もちろん4G/LTEが繋がらない可能性もありますが、周波数の関係上WiMAXよりも屋内は届きやすい傾向があります。
もし、あなたがネット回線をモバイルデータ通信に一本化するのであれば保険のために4G/LTEが使えるW01を選択しても良いかもしれません。私は次の記事のとおりW01を推しています。
HWD15など旧型ルーターとの比較
通信モードの一つであるノーリミットモードはWiMAX(WiMAX2+ではない!)のネットワークを利用していることから3日で3GBの制限がありません。
しかし、Speed Wi-Fi NEXTシリーズではノーリミットモードが今のところ使えません。これはUQWiMAX側が意図的にWiMAX2+へ移行するような仕様にしていると考えられます。
そのため、W01やWX01を選ばずあえて型落ちのHWD15を選ぶことでノーリミットモードを利用しよう考えるユーザーもいると思いますので旧型ルーターとの比較もしておきましょう。
まずUQWiMAXの次のプレスをご覧ください。
UQコミュニケーションズ株式会社は、WiMAX 2+の周波数帯を2倍に拡張し、キャリアアグリゲーションによる下り最大220Mbpsの全国エリア化※を本年9月末完了予定で進めてまいりましたが、一部エリアの工事遅延により、完了は10月末予定となりましたので、お知らせします。
引用元(外部サイト):UQWiMAX
少し遅れたようですが、「下り最大220Mbpsの全国エリア化」が完了しているようです。つまり、これまでWiMAXに使用していた帯域は今後WiMAX2+の帯域として利用されていくことになります。
キャリアアグリゲーション化がされると、そのエリアでのノーリミットモード(WiMAX)の通信速度は下り最大13.3Mbpsにまで落ちます。実測では良くても半分程度ですので6Mbps以下でしょう。
つまり、3日で3GBの制限を超過したWiMAX2+の速度と同等かそれ以下になります。これらのことから、この先旧型ルーターをあえて選ぶ必要はないと言えますね。
さいごに
以上、W01とWX01の違い、そして旧型ルーターとの違いを徹底的に比較しました。いかがでしたでしょうか?
当サイトとしましては他社のLTE回線をお持ちでない方にはW01を、他社のLTE回線をすでにお持ちの方にはWX01をおすすめしています。なぜなら、接続できるネットワークは少しでも多い方が障害に強いと考えるためです。
もちろん、これは一つの考え方です。プロバイダーによってもプッシュしているルーターは変わってきますので、キャンペーンでお得だと感じた方を選んでしまっても良いでしょう。UQWiMAXに認証されている端末であればSIMカードの差し替えも可能ですよ。
モバイルWi-Fiルーターは持ち歩く機会が多いもの。ぜひあなたにぴったりな一台を見つけてくださいね!